ワクチンの種類

単味と混合ワクチン
  • ワクチンは一つだけに有効な単味ワクチン、いくつかの病原体を混ぜている混合ワクチンがあります。
  • 単味としては犬パルボウイルス感染症のワクチンやレプトスピラ感染症のワクチンがあり、その他のほとんどは混合ワクチンです。予防できる病気の数か ら、1種、3種、5種、6種、7種、8種、11種などと多くの組合せがあります。
生ワクチンと不活化ワクチン
  • ワクチンはウイルスなどの病原体(抗 原)を身体に入れて、抗体を作らせます。
  • 入れる病原体の病原性を弱めただけのものを生ワクチン、活性を完全に無くしたものを不活化ワクチンといいます。
  • 生ワクチンは何代も 病原体を培養して弱めて無毒化します。いくら弱めたといっても生きている病原体を入れますから、体が反応して発熱があったり元気がなくなったりすることが あります。
  • 不活化は活性を失った病原体ですから、体内での抗体のつくられかたが生に比べて低く、そのためにアジュバンドという活性を高める薬物を添加します。病原体による 副作用の心配は少ないのですが、アジュバンドの反応をまったく無視することもできません。
ワクチン接種の時期と間隔と種類
  • ワクチン接種の時期や間隔、種類 は状況によってかなり異なります。
  • ペットショップなどで購入した場合、2ヶ月前後だとまだ一度も接種していない場合もありますが、中には1ヶ月過ぎから 10日ごとに接種していることもあります。
  • 接種していれば獣医師の証明書がありますから、必ずもらってください。接種時期と内容がわかります。
  • ワ クチン接種は40日過ぎたころに1回目を接種します。ただこのくらいの年齢だと親からの免疫があって、すべてのワクチンが有効ではありませんが、子犬を社 会へ適応させることも病気の予防と同じくらい重要で、1回目が終われば抱いて外へ連れ出します。2回目以後は、1ヶ月間隔にするのが普通です、最後3ヶ月 半になるようにします。
成犬になったら
  • 一年一回接種するのが原則ですが、環境によっては 数年に1回でもかまいません。
  • 日本の場合犬の流通に問題があって、子犬を通して常に病原体がまかれる危険にさらされています。行動範囲の広い犬や、多くの 犬が利用する散歩コースなどは決して安全とはいえません。ほとんどの人は伝染病の犬を見ることはありませんが、日本の一部が高度に汚染されている現状だと いうことは知っておくべきです。
  • もう一つの問題は老犬で、免疫力が低下しますから危険ですが、行動範囲が制限されるので、感染の危険も減少します。可能なら不活化ワクチンなどで予防するといいでしょう。
安全にワクチン接種の回数を減らすには
  •  子 犬の数回のワクチン接種を減らすことはできませんが、それ以後の接種については状況と方法によって減らすことが可能です。室内だけで飼っていれば伝染病に感染する機会はほとんどありません。
  • また中にはレストスピラのように人にも感染しますが、病原体そのものは弱かったり、コロナウイルスのように成犬になればほとん ど問題のないもの、ケンネルコフのように感染の機会が特殊で死亡しないものなどさまざまです。従って追加接種は必要なものだけ接種するのがいいと思いま す。
  • 子犬の接種が終わった段階で、ワクチンの効果を判定する方法もいいでしょう。
  • 接種した混合ワクチンは、ワクチンの種類や犬の個体差によっ て、抗体のでき方に差があります。
  • そこで、パルボウイルス、ジステンパー、アデノウイルスなどの重要なものについては、血液の中の抗体量を測定して効果判定し ます。もし、十分な抗体産生がなければさらにワクチンを接種します。もし、十分なら数年間ワクチン接種は必要ありません。
ワクチン
  • ワクチン接種は、弱い病原体を体の中に入れて、抗体を作 らせ免疫を得る方法です。
  • ワクチンに疑問をもつ説も流されていますが、多くの伝染病をワクチンによって克服してきた歴史があります。また、伝染病が猛威を 振るっている環境の悪い繁殖場や市場、ペットショップなどでは、早期にワクチン接種したほうが高い生存率を示しています。
  • ワクチン接種には、1頭の命を守るということと、全体の接種率を高めて病気を減らすということも必要です。犬や猫を飼う人の社会的義務ともいえます。

犬(いぬ)のワクチン

地域別(都道府県別)犬感染症発生状況マップ(2014−2015年版)

「『犬と猫の感染症調査』を行うに至った経緯」で述べました通り、日本では、定期的な全国規模での感染症の疫学調査が行われておらず、獣医師は個々の動物病院における経験に頼るため、獣医師自身が感染症予防の重要性を意識する機会が限定され、飼い主に積極的なワクチン接種を勧めるための説得材料がないと推察されます。

そこで、当懇話会の顧問である長谷川篤彦先生のご指導の下、全国の獣医師の先生方に、それぞれの動物病院での過去2年間の感染症の発生状況について回顧的調査を行いました。その結果、短期間に全国600名の獣医師から回答を得ることができました。

その結果、犬では、「疑いのある症例を診断した」および「抗原・抗体・PCR検査陽性などで確定診断した」の合算で、調査病院の56.8%で過去2年間に何らかの感染症診断の経験がありました。つまり、それらの感染症の発生があったことを裏付けていると考えられます。
感染症ごとでは、犬パルボウイルス感染症(36.2%)、犬ジステンパーウイルス感染症(12.2%)、犬伝染性肝炎(5.5%)、犬アデノウイルスII型感染症(17.2%)、犬パラインフルエンザウイルス感染症(35.3%)という発生率でした。
犬伝染性肝炎は低いですが、犬ジステンパーウイルス感染症と犬アデノウイルスII型感染症が10%を超え、犬パルボウイルス感染症と犬パラインフルエンザ感染症がともに35%を超えていることに注目すべきだと考えます。

これらの結果は、それぞれの動物病院で「疑いのある症例を診断した」および「抗原・抗体・PCR検査陽性などで確定診断した」の合算です。

今回は、初めての調査であるため、まだ全ての都道府県から回答が得られているわけではなく、またそれぞれの都道府県でも回答数が少ない場合もございます。1病院中1病院の診断があったことで、発生率100%と記載することに、当伴侶動物ワクチン懇話会においても懸念がないわけではございませんが、今後より多くの動物病院がこの調査に加わって下さることにより、さらに精度の高い疫学調査結果を、全国の皆さまにご提供できるものと拝察いたします。

何卒ご理解と今後のご協力をお願い申し上げます。

ご希望の地域の図を右クリックして、ダウンロードすることができます。

また、クリックすると各地域にジャンプするPDF版もダウンロードできます(9.3MBあります)。

犬感染症(北海道・東北)県別発生状況

犬感染症(北海道・東北)県別発生状況

犬感染症(関東)都県別発生状況

犬感染症(関東)都県別発生状況

犬感染症(北陸・中部)県別発生状況

犬感染症(北陸・中部)県別発生状況

犬感染症(関西)府県別感染症

犬感染症(関西)府県別感染症

犬感染症(中国・四国)県別発生状況

犬感染症(中国・四国)県別発生状況

犬感染症(九州・沖縄)県別発生状況

犬感染症(九州・沖縄)県別発生状況

2016年3月2日

いぬねこワクチン ~犬の病気~

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  • 犬ジステンパー

高い熱、目ヤニ、鼻水、クシャミが出て、元気・食欲がなくなります。また、嘔吐や下痢をしたり、ふるえやケイレンなどの神経症状を起こすこともあります。特に子犬では、死亡率も高い伝染病です。

  • 犬伝染性肝炎

高い熱が出て嘔吐や下痢をしたり、元気・食欲がなくなり、時には目が白く濁ったりします。症状の程度は様々ですが、全く症状を示すことなく突然死亡することもある恐ろしい伝染病です。

  • 犬アデノウイルス感染症

アデノウイルスには急性の肝炎と呼吸器を侵すタイプの二つがあります。急性肝炎の経過の早いも のは、1-2日で亡くなることもあります。また、呼吸器タイプは、急性の肺炎や咳などの症状が見られます。混合ワクチンには必ず含まれています。

  • 犬喉頭気管炎(ケンネルコフ)

乾いた咳が出るくらいで死亡することはありませんが、ペットショップなどで購入した場合、購入してから数日以内に元気、食欲はあるのに乾いた咳があれば、この病気を疑います。インフルエンザウイルスと細菌の共同作用によっておこる病気です

2015年2月11日

猫(ねこ)のワクチン

地域別(都道府県別)猫感染症発生状況マップ

「『犬と猫の感染症調査』を行うに至った経緯」で述べました通り、日本では、定期的な全国規模での感染症の疫学調査が行われておらず、獣医師は個々の動物病院における経験に頼るため、獣医師自身が感染症予防の重要性を意識する機会が限定され、飼い主に積極的なワクチン接種を勧めるための説得材料がないと推察されます。

そこで、当懇話会の顧問である長谷川篤彦先生のご指導の下、全国の獣医師の先生方に、それぞれの動物病院での過去2年間の感染症の発生状況について回顧的調査を行いました。その結果、短期間に全国600名の獣医師から回答を得ることができました。

猫では、犬よりも顕著で「疑いのある症例を診断した」および「抗原・抗体・PCR検査陽性などで確定診断した」の合算で、調査病院の96.5%で過去2年間に何らかの感染症診断の経験がありました。つまり、犬と同様、猫でもそれらの感染症の発生があったことを裏付けています。感染症ごとでは、猫ウイルス性鼻気管炎(95.7%)、猫カリシウイルス感染症(83.0%)、猫汎白血球減少症(36.8%)という発生率でした。

これらの結果は、それぞれの動物病院で「疑いのある症例を診断した」および「抗原・抗体・PCR検査陽性などで確定診断した」の合算です。

今回は、初めての調査であるため、まだ全ての都道府県から回答が得られているわけではなく、またそれぞれの都道府県でも回答数が少ない場合もございます。1病院中1病院の診断があったことで、発生率100%と記載することに、当伴侶動物ワクチン懇話会においても懸念がないわけではございませんが、今後より多くの動物病院がこの調査に加わって下さることにより、さらに精度の高い疫学調査結果を、全国の皆さまにご提供できるものと拝察いたします。

何卒ご理解と今後のご協力をお願い申し上げます。

以下のご希望の地域の図を右クリックして、ダウンロードすることが可能です。
また、クリックすると各地域にジャンプするPDF版もダウンロードできます(9.3MBあります)。

猫感染症(関東)都県別発生状況

猫感染症(関東)都県別発生状況

猫感染症(北陸・中部)県別発生状況

猫感染症(北陸・中部)県別発生状況

猫感染症(関西)府県別発生状況

猫感染症(関西)府県別発生状況

猫感染症(中国・四国)県別発生状況

猫感染症(中国・四国)県別発生状況

猫感染症(九州・沖縄)県別発生状況

猫感染症(九州・沖縄)県別発生状況

2016年3月2日

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いぬねこワクチン

ここに投稿の説明が入ります。

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